PARADISE LOST
新生アートスクールになってから初のフルアルバム。
アートスクールにとって2度目のファーストアルバム。
2003年、大山・日向の脱退により正直アートスクールも終わってしまうのかな、と思っていた。しかし、戸高・宇野を迎え動き出したアートスクールは強かった。
「次の作品はデイブフリッドマンと。」と聞いた時からかなりの期待はしていた。その予告は実現しなかったもののデイブと関係の深いトニードゥーガン(モグワイベルセバなどを手がける)をプロデューサーにグラスゴーでRECされた今作は想像をはるかに超え光り輝いていた。憧れの場所で才能溢れる人たちに刺激されたことで、アートの魅力が最大限に引き出されているように感じた。
息を飲むほど美しく、傷口は少し痛みつつも、優しく包み込んでくれて、本当の意味で救ってくれるような音がここにはある。乱れて、疑って、憎んで、孤独感と虚無感を抱きながら生きてきた青い日々の果てに歌われているのは、「こんな風に許せるなんて思ってもなかった。」ということ。
これを聴いて、胸の奥の消え去る事のないだろうと思っていたわだかまりが少しずつ溶かされて温かくなっていくような気がした。そして無性に誰かに会いたくなった。
今までのアートの作品の中で一番生々しく人の心に触れた作品であると個人的に思う。
しばらくアート中毒から抜け出せそうにない。